リメディアル教育が必要な学生が多数在籍する大学が増えている。そのため,日本リメディアル教育学会は,組織的な研究と具体的な対応策を共有し,具体的な成功事例の研究,啓蒙活動報告や社会への提言などを行う。

ラーニングセンター部会

 日本の高等教育機関で,アメリカ型学習センターが設置されてから24年目を迎えました1)。ただ,それぞれが独自の学習・学修支援を展開しており,他機関(組織)との交流は多くないというのが実状ではないでしょうか。
従来,日本リメディアル教育学会(以下,JADE)の学習支援部会が中心となって学習(支援)センターに係るシンポジウム,ラウンドテーブルや個人研究発表が頻繁におこなわれてきました。しかし,学習(支援)センターからラーニングコモンズに舵を切る大学の増加にともない,学習(支援)センターをテーマとした議論が低調になってきました。
学習(支援)センターに今一度光を当てる理由は,大学等の高等教育機関において学習・学修支援を組織的・包括的におこなうという観点から,学習・学修支援を標榜するJADEがその活動を意識することには,意義があると考えたからです。
「ラーニングセンター部会」の設置目的は,『ネットワークを礎とした学習(支援)センターの専門性の獲得・向上と所属する大学等機関内での地位向上』です。活動内容は以下の通りです。

  1. 高等教育機関の学習・学修支援系組織のネットワークづくりによる情報交換
  2. JADE関連学会での発表(ワークショップ,ラウンドテーブル,口頭発表,ポスター発表)
  3. 従事するスタッフの専門性
     ① JADE認定(公認)の資格付与
     ② 全米学習センター協会(NCLCA:National College Learning Center Association)が有する資格のJADEによる提供
  4. 学習・学修支援従事者のFD/SD(「学びの支援力」の評価・認定)

なお,新部会は,JADEの既存部会である「学習支援部会」から独立したものをイメージしています。したがって学習支援部会の枠組みは,学習(支援)センターに係る学習・学修支援の活動および研究を除いた,学習・学修支援の活動および研究となります。 

最後に,学習(支援)センターの定義を示しておきます2)。次の通りです。

『あらゆる学術レベルの学生の成功(student success/academic success)を具現するための学習・学修支援を組織的・包括的におこなう機関(組織)。大学内で一定の独立性をもち,一定数の常勤の教員か職員あるいはその両方が配置される』

機関(組織)名称に「学習支援」にみられる文字が入っていなくとも,定義に該当する場合は新部会に属することができます。ただし,スタッフの常駐しない「ラーニングコモンズ」は含みません。
「学習支援関連組織」所属に加えて「ラーニングセンター部会」に関心のある会員のみなさま,ご参加をお待ちしております。

参照
1)管見の限りでは,1998年に関西国際大学で設置されたのが嚆矢とされる。
2)次の資料を参考とした。(Rubin, M.(1991). A glossary of Developmental Education Terms. CRLA. Journal of College Reading and Learning, XXIII,(2), p.7,小川洋(2009).リメディアル教育研究,第4巻第1号,p.59. National College Learning Center Association(website: 2022年7月12日) 

【申込方法】
学習支援センターに係わる学習・学修支援の活動および研究が専門分野の正会員、その他学習支援に興味がある正会員用の部会です。部会への登録/解除は、事務局で受け付けています。お問合せより申し込みください。

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